ホックニーの物語は情熱の物語である。見ることへの情熱、語ることへの情熱、イメージへの情熱。しかし、これらに加えて、人生に対する情熱が加わるべきである。ホックニーの芸術は、生きているということの賛美である。時には親しい友人や家族を描くように優しく、時にはプールサイドでののんびりとした気ままな日々を描くように遊び心たっぷりに、時にはグランドキャニオンの記念碑的なイメージのように畏敬の念を抱かせながら、彼の絵はすべて、世界に存在すること、それを見ること、その中で動くこと、それを愛することの意味を伝えている。

アートを通してこのような経験や認識をどのように伝えるかという絶え間ない探求が、この視覚的に密度の濃い本書では特に明瞭に浮かび上がってくる。約60年にわたる並外れた創造性を示す本書は、ホックニーの多作な絵画、ドローイング、水彩画、版画、写真の進化と多様性を示すテーマ別に構成されている。また、作品の背後にある情熱と深い思想を照らし出すアーティストの言葉も掲載されている。

『Hockney's Pictures』は、アーティストの生涯をかけた「見る」「視る」「描く」方法の実験を称えている。

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Thames & Hudson 2024年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 235×220mm ソフトカバー 496ページ
ISBN: 9780500297407