本の構成を考える中で写真を見る順番やページの構成から生まれるストーリ性をなるべく作家の意図の範疇を超えていくとは。
イメージの束の中のただの一枚であるという意識を強めるための本とはどのようなものだろう。
今回、一冊一冊写真のすべての順番を変えることを選択しました(どれ一つ同じ写真の構成をしないというルールになり全てが表紙を覗いて違う本になるとうこと)。
これはつまり一冊ごとの写真の構成がバラバラになり全てのコピーされ提示される本のイメージが見る側に与える印象が変化する可能性が生まれる。
通常の写真集のようにデザインによって誘導される感触や作家の見いだす意図をなるべく放棄する事で生まれ、可視化される可能性に賭けてみたのです。
この本のために選ばれた写真が、見る側に届く際に制作側の意図をはるかに超えるかもしれないと考えたからです。
一枚の写真の中に押し込められたイメージが作家の提示したいことのすべててあり、結果、目の前に積み上げられたイメージの束にすぎないということを本という構造を使って見出だすこと自体が、作家伊丹豪の写真を写す態度と共鳴してると私たちは考えました。丹念に一枚一枚見るという行為を単純にした結果出来上がった束が、photocopyという写真集です。
>伊丹豪
>Rondade
Rondade 2017年刊行
サイズ縦370×横265mm 132ページ