ベルギーの若手写真家Max Pinckers(マックス・ピンカース 1988~)がインドのムンバイにて、そこに生きる人々の姿を捉えた写真集。収録された写真には一般的なドキュメンタリー写真とは印象の異なる、まるで映画のセットのような演出がなされているが、登場する建物や風景、人物は実際にそこにある(または住む)ものを使用している。写真やドキュメンタリーという手法は、「作者の主観に左右される部分が多く、決して真実を映し出すものではない」というのは、現在では周知の事実だが、本書の意識的な演出とある種の突き放した視線は、画面に写されたものの細部から独特の存在感を引き出し、この世界観を特別なものにしている。また、あえてニュースペーパーなどで使われるような薄紙を使用した独特の装丁も印象的で、”現実以上にリアルな夢”といった不思議な余韻を残す一冊となっています。
>Max Pinckers
Max Pinckers 2012年刊行 テキスト英語
サイズ縦273×横195mm ソフトカバー 192ページ
[SOLD OUT]