自然を愛し、自然との近しい付き合いがライフスタイルになっている人は多い。そんなナチュラリストたちにとっても、またそうでない人たちにとっても昨年の3月の東日本大震災とそれに続く福島原発事故は、大地、海、空気、食べ物など自然のあらゆることについて今一度考えさせられるきっかけになったに違いない。本当に大切なのは何か。私たちの進む先の未来で、本当に自慢したくなるような、大切になるものは何なのか？と。仁淀川は四国にある。一般的には四万十川ほどの知名度はない。しかし実は日本一の水質を誇るその川は、いまやそのあまりに美しい水の青を「仁淀ブルー」、「仁淀川の神秘」と称えられ、NHKの特別番組にまでなった*。TV番組を通して紹介されたのが高橋宣之の写真だ。
（*平成23年3月放送NHKスペシャル『仁淀川　青の神秘』）

写真集『NIYODO　BLUE』は、四季を通じて何万通りもの表情をファインダーにおさめ続けてきた高橋宣之のライフワークの結晶だ。「ほんとうに生きている川だからこそ生まれる青く澄みきった水」だと高橋氏は言う。その水を育んでいるのは太古から変わらない広葉樹林の森だ、とも。心打つ美しさとは決して上塗りのものではないことを、また言葉の説明も要らないことを、アーティスティックに証明してくれる写真集。豊富な水の流れのみずみずしい表情を見ているうちに、この美しい水に潜ってみたくなるかもしれない一冊となっている。
＜再入荷待ち＞

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BUENO! BOOKS　2012年刊行　テキスト日本語/英語
サイズ縦183×横237 厚さ11mm　ハードカバー 112ページ