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Francis Kéré. Building Stories.


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Francis Kere Taschen

ブルキナファソ人建築家、ディエベド・フランシス・ケレ(Diébédo Francis Kéré)の作品集。本書は、作者が自身の建築思想を形づくった代表作を自らの言葉で語る一冊である。

2022年にプリツカー賞を受賞した作者が、一人称の語りによって、自身を突き動かす思想と、社会との関わりを重視する建築実践の根底にある価値観を明かす。本書では、アムステルダムを拠点とするグラフィックデザイナー、イルマ・ボーム(Irma Boom)が手がけた美しい造本のもと、未公開のスケッチ、写真、図面を多数収録しながら、26の主要プロジェクトを紹介する。

収録作品には、「サーペンタイン・ギャラリー(Serpentine Gallery)」のパビリオン、「ガンド(Gando)」の学校プロジェクト、ブルキナファソおよびベナンの国民議会議事堂計画、「トマ・サンカラ記念館(Thomas Sankara Memorial)」、そして近年発表された「ラスベガス美術館(Las Vegas Museum of Art)」などが含まれる。作者の語りは、詩的な感性と実践的な視点とを自在に行き来し、現場でのレンガの加工技術から、設計を方向づける政治的・環境的要因までを幅広く論じている。実際に手を動かしてものをつくることへの喜びと、大きな構想を描く思考の双方が一貫して息づいている。「想像力が羽ばたくことを妨げることなく、それを規則という格子へ導く方法」という、ある章の副題はその姿勢を端的に示している。

作者にとって建築とは、一方的に与えられるものではなく、人々がともに学び、交流しながら共同で築き上げる営みである。建築家は主役ではなく、共通の目的を実現するための媒介者にすぎない。その設計は、地域に根ざした知恵と開かれた価値観に基づきながら、気候変動や人口増加、さらには成熟途上にある民主主義国家の脆弱な社会基盤といった現代社会の切実な課題にも真正面から向き合っている。

本書を読む体験は、まるで作者自身のノートブックを開き、図面やアイデアの脇に書き込まれたメモを読み進めているかのようである。巻末には、ガーナ系スコットランド人の建築教育者・小説家であるレスリー・ロッコ(Lesley Lokko)と、作者の師であるユハニ・パッラスマー(Juhani Pallasmaa)による2本の論考を収録し、その実践を文化、倫理、建築というより広い文脈のなかに位置づけている。
Taschen 2026年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 225×190mm ハードカバー 444ページ
ISBN: 9783754405079
  • 18,700円(税込)



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