ドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアムで2024年秋に開催される展覧会に合わせて出版されたこの一冊は、世界で最も尊敬されるスポーツブランドのひとつであるナイキのデザイン史を探求している。この展覧会カタログは、ナイキのデザインカルチャーの変遷をたどり、50年にわたるレガシーにおけるマイルストーン、象徴的なオブジェ、インスピレーションをたどっている。また、ナイキの科学的研究にもスポットを当て、常に運動する身体の綿密な検証から始まり、最終的にはテクノロジー、機能、美学を融合させている。

本書には、1960年代のナイキ黎明期からの希少品やワンオフ品、アイコニックなスニーカーモデルのデザイン画やプロトタイプの原画、歴史的な資料やフィルム、ヴァージル・アブローやマーク・ニューソンといったクリエイティブな人物とのコラボレーションの成果など、未公開の資料が豊富に掲載されている。また、ナイキの共同創設者であるビル・バウワーマンのキッチンで初めてワッフルソールが開発された話や、アメリカのブラックパワー時代に黒人女性アスリートで結成されたテネシー州立大学タイガーベルズの話など、象徴的なモノやイノベーションの背景にあるストーリーにも光を当てている。

第一線で活躍するデザイン史家が、グラフィックの使用、アスリートやファッションデザイナーとの協力関係、先進的な研究開発など、さまざまなトピックについてエッセイを寄せている。さらに、ナイキの歴史において重要な役割を果たした50人以上の人物のインタビューを抜粋し、読みやすい会話形式で構成。スニーカーヘッズ」だけでなく、本書は世界で最も洗練されたデザイン企業のひとつであるナイキと、プロダクトデザイン、技術革新、社会変革の関係について深い洞察を与えてくれる。

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Vitra Design Stiftung 2024年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 350mm×226mm ハードカバー 352ページ
ISBN: 9783945852644