一冊だけの本の形態として、06年に初めて発表された作品「太陽」が、今回、新作を加え、最初の形を忠実に再現するアーティストブック的作品集として発売。表紙には、光(=温度)で下に隠れている作品太陽があぶり出しのように現れるという特殊な仕掛けもあります。
色を表現することを考え続けたことからはじまったこの連作は、誰にでも共有できる源でありながらも、その実体をとらえることが出来ない対象、太陽に正面から向き合う。
最も原初的なカメラである、レンズのないピンホールカメラを用い、太陽の像、それ自体を捉えようとした意欲作であり、野口の転換点ともいえる。
今までの作品とは異なり、旅を続ける野口の日常の中で、時に拠点とするベルリンやアフリカで撮影を続た本作はメディアとしての写真の移行期に生まれてきた作品といえるだろう。
<再入荷しました>
>野口里佳
>NOHARA
IZU PHOTO MUSEUM/NOHARA 2009年刊行 テキスト日本語/英語
サイズ縦190×横255mm ハードカバー80ページ(スリップケース入り)