「友達の前では手は繋ぎたくないなぁ」
申し訳なさそうに娘が言った言葉に、
もうすぐ今の関係が終わるのを予感した。
娘、保育園年長。
ふと大人っぽく見えたり、突拍子もなく奇声を上げたり、
妙に深い質問をしてきたり。
こんなに不思議で楽しい生き物と過ごせたひびを、
僕は忘れたくないと思ったし、 忘れないでほしいと願ったけれど。
まるで夢のように、僕らが過ごした時間は、
ほとんどが記憶から消えてなくなる。
その事実を前に、僕は写真を撮る事を選んだ。
さて、僕もそろそろ次の夢の準備をしよう。
>リブロアルテ
リブロアルテ 2015年刊行 テキスト: 日本語/英語
サイズ縦226×横285mm ハードカバー 80ページ
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