ロバート・フランクの『The Americans』は、1958年にフランスで出版され、1959年にアメリカで出版されて以来、約70年の間に、アメリカ写真界で最も影響力のある不朽の名作のひとつとなった。全米で撮影された83枚の写真を通して、フランクはこれまで知られることのなかったアメリカの姿を明らかにし、人種的不平等、腐敗、不正義、アメリカン・ドリームの厳しい現実といった裏の顔を人々に突きつけた。フランクの視点は、驚くべきものであると同時に粘り強いものであり、人間味と叙情に溢れ、歴史の転換点にあるこの国の痛切で比類ない肖像を描き出している。

1968年に出版されたAperture and Museum of Modern Art版から半世紀以上を経て、この『The Americans』版は、Apertureのカタログに象徴的なタイトルが戻ってきた記念すべき作品である。フランクの生誕100周年を記念し、近代美術館での大規模な展覧会に合わせて制作された本書は、フランクがデザインと制作の全工程に自ら携わった2008年版の最高級トリトーン印刷を踏襲している。

フランクの厳格なビジョン、独特のスタイル、詩的な洞察力は、20世紀の写真の流れを変え、リー・フリードランダー、ナン・ゴールディン、ダニー・ライオン、ジョエル・マイヤーウィッツ、エド・ルシェ、ギャリー・ウィノグランドなど、その後の世代の写真家たちにも影響を与えた。現在、最も画期的な写真集の1冊として賞賛されている『The Americans』は、その優れた写真家としての力強さを保ち続けている。

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Aperture 2024年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 184×209mm ハードカバー 180ページ
ISBN: 9781597115711