ハワイのワイキキ、東京の郊外や都心を舞台に、2年間にわたって制作された作品をまとめた自身5冊目となる作品集。LIBRARYMANからの発行は、2011年に発行された「ASPHALT&CHALK」に続く2冊目。
主人公は女性である。この写真集には、何人かの女性が写っているように見える。二人? 三人? それ以上? 服装、髪型、表情を手がかりにして、彼女たちの数を数えようとしても、はっきりとその人数を言い当てる根拠はない。しかも、彼女たちのなかには少女もいれば成熟した女性もいるように見える。女性たちはどうやら全員アジア系のようだが、髪の色や服装でその国籍は攪乱され、日本的なイメージもミス・リーディングを誘うためのワナのように見えてくる。私が夢を連想した理由の一つは、写真からフェイクの香りが漂っているにも関わらず、ストレート写真が持つリアルな手触りが失われていないことである。フェイクとリアルが、ページをめくるたびに、近づいたり、離れたりする。その感覚は夢に似ていると思う。 タカザワケンジ(写真評論家)
著者のサイン入り。
>永瀬沙世
>Libraryman
Libraryman 2013年刊行 テキスト英語
サイズ 縦270×横215 厚さ11mm ハードカバー 40ページ ポスター付き