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Birds
松岡正剛 | Seigo Matsuoka


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2025年8月12日

松岡正剛の一周忌にあたるこの日、 その線と気配を、そっと世に送り出します。

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結局、鳥というものも「ここ」(here)と 「むこう」(there)をつなぐ媒介者だったのです。

─松岡正剛
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その思索の奥底にはいつも、「かたち」と「余白」への深いまなざしがありました。 文字、図像、構造、言葉になる以前の気配。 正剛さんが最後まで手放さなかったのは“見る”という行為そのものでした。

『千夜千冊エディション』(角川ソフィア文庫)全30タイトルの造本設計を通して、正剛さんと何度も言葉を交わしたぼくは、 編集という営みの奥行きと愉しさを、毎度その態度から教えてもらった気がしています。

その正剛さんがこの世を去ったあと、右腕として長年そばにいた編集者の方から、静かに一冊のファイルを見せていただきました。 そこには、半紙に墨で描かれた31羽のドローイングが言葉もなく静かに収められていました。 ただ「鳥」という一文字のかたちをめぐる──淡く、揺れながら、にじみ、すっと消えるようでも時に力強く跳ねる線──。 誰に語ることもなく、日々の余白に描かれていたそれらは、 まるでエチュード(練習曲)のように、繰り返され、重ねられていました。 書でもなく、絵でもなく、しかしたしかに──思索のかたちを帯びた“鳥”たち。

本書は、正剛さんが密かに描いていたその断片を一冊にまとめたものです。 文字が意味になる以前の、その輪郭を見つめるような行為。 静けさの中に宿る、言葉を超えた声。

どうぞご高覧ください。


bookshpo M 発行人/造本家 町口覚
bookshopM 2025年刊行 テキスト: 日本語/英語
サイズ: 168×237mm ソフトカバー 32ページ
  • 3,300円(税込)