イアン・ライナム著『Fracture』は、日本のデザイン史を、最も影響力のあるクリエイターたちの伝記を通して、1世紀にわたる日本のデザイン史を概観するもの。年表は、200年にわたる鎖国政策に終止符を打った日本の開国から20年も経たないうちに始まり、ライナムは、日本の現代的な美意識を形成した90人以上の先駆者たちの物語を紹介している。日本初の女性ジャーナリストと言われ、フランク・ロイド・ライトに依頼して東京都豊島区に「明日館」を建てた羽仁もと子。戦間期の国家的プロパガンダの中で、杉浦非水と多田北烏の広告の中に近代日本女性のビジョンが浮かび上がる。1964年のオリンピックでは、亀倉雄策の「赤丸」ロゴとピクトグラムが初めて競技に使用され、国際舞台における日本のデザインの分水嶺となった。最後に、女性解放やリブの台頭、デジタル時代の入り口に立つグラフィックデザインの状況について、調査を締めくくっている。 児童書のページ、旅行ポスター、地図、商品広告、エロチックな雑誌の表紙などを図解した『Fracture』は、日本のエフェメラの視覚的な宝庫として機能すると同時に、これらの形成的なデザインを支えた創造的な頭脳を読者に紹介する。

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DelMonico Books 2021年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 280×240mm ハードカバー 287ページ
ISBN: 9789083449845