写真集「rotten」。
美味とは色鮮やかで、新鮮で、良い香りがして思わず口に運びたくなるそんな本能に訴え てくる魅惑がある。それはまさに生の歓び、命の輝きでもある。一方、不味とは主に腐敗 にあって、立ちこめる腐臭、終わりの瞬間の覚悟のような味わい、悪臭や嘔吐などの身体 感覚が立ち上がってくる、それはまさに死への不安である。

食専門写真で活動してきた著者が美味しいとはなにかを問い直す作品集。

新鮮で色鮮やかだった野菜や果物が
ゆっくりと腐る
瑞々しかった果肉は水分が抜け
褪色した皮はしわがより
カビが生えて腐敗が進行した見た目は見る影もない
しかしかつてあった美しさは形を変えて我々にまた提示する
終わりの始まりは朽ちていく美であると。

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Self-publishing 2024年刊行 テキスト: 日本語/英語
サイズ: 250×370mm ハードカバー 64ページ