スイス生まれの写真家ロバート・フランクにとって、1958年は、後に彼が記したように、「何か新しいことの始まり 」の年だった。画期的な写真集『The Americans』のための写真選定を終えたフランクは、常に落ち着きのない芸術家として、2019年に亡くなるまで60年に及ぶ創作の探求の道を歩み始めた。写真、映画、ビデオ、書籍など、媒体を問わず、彼のはっきりとした個人的な作品は、愛する人の死や時の流れを見つめ直した。作家、ミュージシャン、出版社、他のアーティストとのコラボレーションにおいて、彼はまた、1970年に妻でアーティストのジューン・リーフとともに移り住んだニューヨークとノバスコシア州ケープ・ブレトンの両方で、アーティストや隣人たちのコミュニティにおける自分の役割について考察した。フランク生誕100周年を記念して開催された、ニューヨーク近代美術館での初の個展「ロバート・フランク・イン・ダイアローグ」は、フランクが一般的にイメージされる役割、つまり、自分の祖国にレンズを向けた観察力豊かなアウトサイダーという役割を超えて、他者との関係性から意味が生まれることを理解していた、深く内省的なアーティストであることを私たちに問いかける。

編集：ルーシー・ギャラン。ケイトリン・ブーハーとサラ・グリーナフによる寄稿。

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Museum of Modern Art 2024年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 184×2095mm ハードカバー 180ページ
ISBN: 9781633451643