アメリカ人フォトグラファー、ジョン・レアー（John Lehr）の作品集。本書では、アメリカの考古学的な現在から生まれた人工物を探求している。このシリーズの作品は、建築、看板、イメージ、オブジェなど、注目を集めるために急遽作られたり、有用性が失われた後にその場に捨てられたりした、ありふれた形を描いている。レアーはそれらを、現代アメリカ人の生活に織り込まれている、衰退、再生、暴力、喪の繰り返しの象徴として位置づけている。

光が降り注ぐこれらの写真は、資本主義という言語を通して語られる国家を鮮やかに描写している。言葉やイメージは、作品を通して繰り返され、矛盾し、強調された訴えや優先順位の移り変わりを反映している。またある時は、言語が完全に崩壊し、原始的でありながらまったく現代的な絵画的形態へと変化する。剥がれ落ちた絵の具がJPEGのビニールプリントやLEDディスプレイに姿を変え、商業的な言論と個人の表現の境界線を曖昧にしている。

作品に込められたのは、集合的な経験の痕跡を身体と同じように背負うオブジェの力と不条理に対する信念だ。『The Last Things』は、その凝縮された強調されたシークエンスにおいて、散文詩のようにも、転換点にさしかかった国についての暗号のようにも読める。

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TBW Books 2024年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 320×267mm ハードカバー 122ページ
ISBN: 9781942953654