本書は、ユルゲン・テラーとクリエイティブ・ディレクターのデニス・フリードマンが、『W』誌のために、そして後にニューヨークの高級百貨店バーニーズのために行った長期にわたるコラボレーションを称えるものである。

1999年から2016年にかけて、2人はテラーのトレードマークである写実的なスタイルで捉えた象徴的なシリーズを次々と発表した。これらの写真においてテラーは一貫して時代の流れに逆らい、大規模な予算をかけた撮影に抵抗し、本物の、反商業的な物語と簡素化されたロケーションを追求した。例えば、1999年の忘れがたい最初のエディトリアルでは、ステファニー・シーモア、シャローム・ハーロウ、ナオミ・キャンベル（他のスーパーモデルも含む）が雑誌のオフィスワーカーとして登場した。オートクチュールの顧客、モナコグランプリでのケイト・モス、社交界のコレクターとしてのティルダ・スウィントンから、ウィリアム・エグルストンやロニ・ホーンのポートレートまで。これらの写真は彼の創造的自由の進化を明らかにしている。また、2011年から2016年にかけてテラーとフリードマンがバーニーズのカタログのために手がけた作品は、ベオグラード、パナマ・シティ、ティラナといった珍しいファッション・ロケーションでのリスクを冒すアプローチを象徴している。出来上がったイメージは、モデルや俳優がコミカルなポーズで環境を探検し、一種の不適合な広告を生み出すことで、遊び心のある並置や予期せぬシナリオを示している。そのローファイな手法は、過去の作品を見返す物理的なプロセスを強調し、彼の回顧の驚きを私たちと共有することを可能にしている。

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Steidl 2024年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 270×207mm ハードカバー 208ページ
ISBN: 9783969992951