『Zone Eleven』とは、アンセル・アダムスのゾーンシステム（ゾーン0の最も深い黒からゾーン10の最も明るいハイライトまで、写真プリントにあらゆる階調を得るためにネガの露出を制御する方法）にちなんでいます。アーティストのマイク・マンデルが、彼の個人的な作品の範囲を超えてアダムスの写真集を作成するという挑戦の中で造った比喩です。

本書の写真の多くは、アダムスのコマーシャルやエディトリアルの仕事のアーカイブから、また、当時に撮影されたポラロイドから発見されました。この本のために、マンデルはアダムスにとって思いがけないイメージを発掘し、見開きページの関係や順序など、新しい文脈を作り出しました。Zone Eleven」は、マイク・マンデルが4つの異なるアーカイブ内にある5万点以上のアダムスの画像を調査し、これまで知られていなかったアダムスの作品群を紹介するために制作されたものです。

マイク・マンデルは、1970年代から1990年代にかけてのラリー・サルタンとのコラボレーションでよく知られています。彼らは1977年に、政府機関やハイテク企業のアーカイブで閲覧した200万枚以上の画像から選んだ59枚の写真を収録した『Evidence』を発表しています。『Zone Eleven』は、コンセプト的に『Evidence』の姉妹本と言えます。『Evidence』が制度的な記録写真に新たな文脈と意味を持たせたように、『Zone Eleven』は "アンセル・アダムスを象徴する自然写真 "という観客の期待にそぐわない画像を選んでいます。『Zone Eleven』は、意外にも社会的関係、建築環境、疎外感といった問題に語りかけるアンセル・アダムスの写真集となっているのです。

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Damiani 2021年刊行 テキスト: 英語
サイズ:縦230×横280mm ハードカバー 112ページ