ニューヨークを拠点とするアーティスト、ユウジ・アゲマツの作品集。本書「Four Seasons」は、代表作である「zips」を紹介するユニークなアーティストブックで、ウィーンのセセッシオン美術館で開催された展覧会に合わせて制作されたもの。

「zips」とは、作家がニューヨークを毎日歩いて収集した都市のゴミを再利用し、タバコの箱のセロハン包装紙に封じ込めたミニチュア彫刻のシリーズ。展覧会では2020年から1日1枚ずつ366枚の作品が展示されましたが、クラウス・デューのデザインによるこのパンフレットでは、四季の中から選ばれた月（2月、4月、7月、11月）のイメージを掲載。2冊の本で構成されており、左にはZIP作品の中から選ばれた日を拡大した画像が、右にはその日の出来事を記録した作家の日記のようなノートのページが、それぞれ丁寧に再現されています。

哲学者のロビン・マッケイ氏によるエッセイでは、アーティストの日々のアッサンブラージュの精神を鋭く捉え、理論化。ゲームクリエイターの高橋慶太氏の「塊魂（かたまりだましい）-異質なものを夢中で集めることに大きな希望を置く宇宙的な気質」になぞらえています。プラトン、フィリップ・K・ディック、ズーランダー、ダンテのパラダイスなどを参照しながら、マッケイは幅広い分野からインスピレーションを得て、アゲマツの作品にオマージュを捧げています。

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Revolver Publishing 2021年刊行 テキスト: 英語
サイズ: 縦247mm×横175mm ソフトカバー 128ページ