多彩な活動を見せる写真家・薄井一議が、『Showa 88/昭和88年』(2011年 Zen Foto Gallery)、『Showa 92』(2015年 Zen Foto Gallery)に連なる「Showa3部作」の完結編となる本作『Showa 96』を満を持して刊行。
“昭和”が付くからと言って、別だんノスタルジーを追い求めている訳では全くない。
僕は、この言葉を“生き抜く力”の象徴と考える。
昭和がまだ別の時空で続いていたらどんな世界か、そんなファンタジーを追い求め、平成の終わりに第三弾が完成した。
僕は、人間が生き抜くが故に生まれる矛盾やほつれ、その如何わしさに美学を感じる。
自分の信念を貫き、時にはミスフィッツとされながらも生き抜く人々。
嗅覚を頼りに、時にはその本人を撮影し、時にはその場所から感じ取りストーリーを構築させる。
この行為は、何不自由なく食べて行ける 平に成り立ったこの世の中で、先人に感謝を感じながらも、どこか満たされない僕自身の矛盾した精神の穴埋め行為なのかもしれない。
時代への服従なのか、勝手に自分が作り上げたモノへの服従なのか。
一つ確かなことは、今年平成が終わる。
でも昭和はまだ終わらない。
― 薄井一議
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Zen Foto Gallery 2019年刊行
サイズ縦257×横182mm ハードカバー 80ページ