東京ブギウギ: Tokyo Boogie Woogie (Cover B)
森山大道 | Daido Moriyama

ぼくのストリートスナップのひとつの在り様として、路上の至る所で目に映るグラフィ カルなあれこれを好んで写してしまう傾向がある。むろんそうしたイメージばかりを撮っ ているわけではなくて、路上の人々の生態や都市風景などさまざまであるが、この写真集 制作の依頼を受けたとき、どうしても今度の一冊は、とにかく全体をグラフィカルに、あ るいはキッチュでポップに、ときにチープでエロティカルなイメージを中心にまとめてみ たいと思ったのだ。そんな本を作ろうとしたとき、”東京”はまさにぴったりの都市で、 新宿、渋谷、池袋、浅草、銀座と、右を向いても左を見ても、あたかもオモチャ箱を引っ くり返したというか、パンドラの匣が開いてしまったというか、都市を構成するありとあ らゆる要素がじつに混然雑然としているわけで、カメラを片手にそれらのさ中を歩くぼく としては、ついゾクゾクと嬉しくなる。ポスターを見ても、看板を見ても、ショーウイン ドーを見ても、路上の片隅に至るまで、どこもかしこもチャラチャラペラペラと、ぼくの 写す気持ちを刺激し感応してくることになる。そして、辺り全体から立ち昇り聴こえてくる BGMはといえば、そのリズムといいテムポといい、まさにブギウギというしかないサウ ンドというかノイズである。
ぼくのストリートスナップのひとつの在り様として、路上の至る所で目に映るグラフィ カルなあれこれを好んで写してしまう傾向がある。むろんそうしたイメージばかりを撮っ ているわけではなくて、路上の人々の生態や都市風景などさまざまであるが、この写真集 制作の依頼を受けたとき、どうしても今度の一冊は、とにかく全体をグラフィカルに、あ るいはキッチュでポップに、ときにチープでエロティカルなイメージを中心にまとめてみ たいと思ったのだ。そんな本を作ろうとしたとき、”東京”はまさにぴったりの都市で、 新宿、渋谷、池袋、浅草、銀座と、右を向いても左を見ても、あたかもオモチャ箱を引っ くり返したというか、パンドラの匣が開いてしまったというか、都市を構成するありとあ らゆる要素がじつに混然雑然としているわけで、カメラを片手にそれらのさ中を歩くぼく としては、ついゾクゾクと嬉しくなる。ポスターを見ても、看板を見ても、ショーウイン ドーを見ても、路上の片隅に至るまで、どこもかしこもチャラチャラペラペラと、ぼくの 写す気持ちを刺激し感応してくることになる。そして、辺り全体から立ち昇り聴こえてくる BGMはといえば、そのリズムといいテムポといい、まさにブギウギというしかないサウ ンドというかノイズである。

  本の編集が終わったとき、もうこの一冊のタイトルは「東京ブギウギ」しかないゾとぼく は思った。大都会には、虚と実が抽象と具体が、永遠に反転しつづける不思議なダイナミズムを持って いるので、ストリートカメラマンも永遠にシャッターを切りつづける他はないのだ。都市の路 上は、幾重にも謎のレイヤーに包まれているから。
>森山大道
>SUPER LABO
SUPER LABO 2018年刊行 テキスト:英語
サイズ: 縦130×横187mm ハードカバー 200ページ
  • 5,390円(税込)