『POOL』、『Los Angeles Car Club』に続く、平野太呂のアメリカ3部作。
圧倒的な憧れと、完全に理解できない部分が綯い交ぜになっているアメリカという対象を見つめることによって、自分とは、日本とは何者なのかという問いに向き合ってきた写真家・平野太呂。
平野は『POOL』の撮影時に、エルビスのモノマネをしている人に偶然出会ったこときっかけにして、彼らが自らのことをトリビュート・アーティストと呼んでいること、また、世界中に彼らのような人達がたくさん存在していることを知ります。エルビスの命日である8月16日にメンフィスで開かれているエルビスウィークと称されたフェスティバルを訪れ、世界中から集まった様々なエルビスのトリビュート・アーティストを撮影したのが本作『The Kings』です。
街の至るところでエルビスの曲が流れ、3日3晩、今は亡きエルビスの亡霊に酔いしれている人々の姿。黒人と白人が縦横無尽に行き交い融合しているメンフィスの街並み、そして文化。カリフォルニアやニューヨークにはないアメリカの姿が、ここには写しだされています。
>平野太呂
>Elvis Press
Elvis Press 2016年刊行
サイズ縦220mm×横186mm ハードカバー 96ページ