木原は20代前半から30代半ばの約10年間、ダクト清掃の仕事に従事し、ビルなどの内部に張り巡らされたダクトの中の世界を撮影してきました。デパートやトイレ、工場、飲食店、オフィス……さまざまな空間から粉塵が換気扇により吸い込まれ、ダクトを通り外へ排出されます。つまりダクトには、それぞれ発生する、人々や場所の記憶のようなものが地層のように堆積しています。誰も見たことのない地球上の場所、あるいは宇宙の果てに新たな発見を求めるように、ダクトの景色は新境地であり、新しい次元へと通ずる迷路でもあるのです。木原の表現するこの写真群は、観る者を著者が目撃した静かな精神の迷宮へといざなってくれます。
ダクトの内部は、脅迫じみた遠近の階調と
不気味な図形の連続だった―—。
見る者を異次元へと誘う
著者初の写真集。
>木原悠介
SURER BOOKS 2016年刊行
サイズ 縦364×横257mm ソフトカバー 24ページ サイン入り
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