高橋宗正: 津波、写真、それから ― LOST & FOUND PROJECT

3.11 の津波で流された家族写真を、持ち主の手もとに返そうとした活動の記録。人が生きていくのに必要な写真の力。

宮城県山元町でボランティアたちによって始まった、被災した写真を洗浄し、複写し、検索できるようにする活動「思い出サルベージ」は、約30 万枚(2013 年末時点)の写真を持ち主に返すことができた。その活動はやがて、ダメージの大きな写真を世界各地で展示し、寄付金を募る「Lost & Found」プロジェクトへと進展する。一連の活動のなかで人々はどんな思いを抱き、写真はどんな存在だったのかーー被災写真155点とレポートを通して、大きな問いを差し出す一冊です。

写真を瓦礫の中から集めた人、写真を探しに来た人、写真を持ち主に返そうとした人、写真の展示を見た人が感じたことには共通の意識があった。写真の価値とは記憶の価値に近いものだ。( 本文より)

写真を撮るということは過ぎ去った時間の存在を証明するだけではなく、時間が過ぎ去ることは避けられないということも証明している。全てのスナップ写真はこの逆説的なメッセージを具現化したものであり、生と死の間のどこかで私たちを宙づりにしながらも、生と死を同時に語ろうとするのである。だから、これらの日本の写真がこのような交錯した感情を生み出すことは疑いようがない。片方で、それらは死や苦しみ、喪失と破壊について物語っている。そしてもう一方で、それらは生への肯定、そしてそれら自身が引き受けた運命すらを乗り越える可能性を示唆する。 ジェフリー・バッチェン(写真史家)
>赤々舎
赤々舎 2014年刊行 テキスト日本語/英語
サイズ 縦344×横247mm ソフトカバー 160ページ
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